記   録

■「第13回 若い失語症者のつどい」(東京版)
日 時:2002年6月1日
            11時30分〜16時00分
会 場:すみだ産業会館 会議室1
    墨田区・丸井共同開発ビル 9階
            東京都墨田区江東橋3−9−10


 首都圏で13回目の「若い失語症者のつどい」(東京版)が、すみだ産業会館で行われました。集まったのは失語症者26名(男性16名・女性10名)、ご家族12名、その他の方が3名の総勢41名。
なかまたさん表紙作成
失語症者の内、東京版つどいに初参加の方は4名でした。栃木県、茨城県の参加者も増えてきています。

 当日のプログラムは、
1.自己紹介(氏名、年齢、障害を負った時期、原因、後遺症、近況など)
2.全員での話し合い
 テーマ1 ”これからの目標”
       (11回つどいでは皆の前で発表する機会がありませんでした。)
 テーマ2 ”これからつどいで話し合いたいこと、やりたいこと”
 司会は、Oさんでした。
----------------------------------------------------
「第13回つどい」によせて

    みなさんこんにちは

     2部のテーマは「これからの目標」です。
    将来、未来に向かって目標を立てるのです。

    過去ばかり振り向いている人は誰ですか?

    歩きだそうわたしと

    歩きだそうみんなで

    歩きだそう未来へ

    ふみだそう明日へ

(呼びかけ人 林 健二郎)
----------------------------------------------------
1.自己紹介から抜粋
 ・司会で少々緊張しています。
  事故後は車椅子でした。リハビリで今のように歩けるようになりました。
 ・つらいのは失語症です。誤解をされて、悩んだ時期もありました。
  それも良い薬と思い辛抱しましたし、改善もしています。
 ・二年前から一人暮らしをしています。
 ・近況は、妻と家の模様替えをしようかとしています。
 ・会社で部署が変わりました。
  上司が良い方で、ゆっくり仕事を見つけていこうと言っています。
 ・今は求職中です。よい仕事があったら、よろしくお願いします。
 ・4年前脳出血から後遺症は、失語症と右麻痺です。
  家での子育てが私の仕事です。

2.全員での話し合い
 テーマ1:これからの目標(抜粋)
 ・私の目標は、パソコンが上手になることです。
  主に左手で打っています。
 ・就職したいです。でもまずは、言葉の訓練を頑張ります。
 ・なんとかはさみを上手に使えるように頑張りたい。
 ・今は散歩で一日5km歩くのが目標です。

 テーマ2:これからつどいで話し合いたいこと・やりたいこと

 テーマばかりではなく、日ごろの悩みの話も出て、大変に有意義な話し合いでした。
つどいとは別に集まるということで、7月には初めて納涼会も行なわれました。今後もいろいろな企画が出てくることと思います。
 10月には茨城県大会を応援に、11月には盛岡版のつどいを応援に行く話も出ています。つどいが開催されるたび、仲間に出会うことの大切さを感じています。

 次回は9月14日(土)、また皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

準備委員会:Oさん、ケロさん、黒澤さん、
       寺内、中嶋さん、林健二郎
記録の表紙担当:なかまたさん
記録:相馬肖美

◆第13回つどいをおえて◆

   第2部で初参加の女性は他人がどうしても分かってくれないと語った。彼女の目から涙がこぼれおちた。

 私は忘れかけていたことを思い出した。
「第4回つどい」をおえてで書いたことがそれだ。
「・・・将来に対する希望が持てない失語症者。あえぎ、苦しみ、うちひしがれ、やがては萎えてゆく若い失語症者。このような絶望の淵にある人たちと悲しみを分かち合いたい。そして、(時間はかかるだろうが)胸の中を勇気、自信、希望で漲らせたい。そして、彼が、つぎには別の人を・・・」
こういう人にこそベテランである私たちの共感とアドバイスが必要なのだろうと考えたりした。しかし私は的確に言葉を出せないでいた。

 ある詩人のことばが不意に脳裏をよぎった。
「ほんとうの幸せは悲しみの中から生まれて来る」
(呼びかけ人 林 健二郎 2002.6.1)
前のページ 記録メニューへ 次のページ