第16回 若い失語症者のつどい(東京版) 家族会記録
2003年2月1日 (土) 15時00分〜16時30分
司会:遠藤尚志ST 参加家族;17名
第2部は、失語症者、ご家族が分かれて会を行いました。
家族会では、簡単な自己紹介の後、次のようなお話がでました。
・生涯の友人を作って欲しくて、この会に参加しました。でも、女性は少ないですね。
(女性参加者の家族)
→(遠藤ST)この若い失語症者のつどいでは、病気の人が多いですね。事故は1/3くらい。
脳血管障害は、男性:女性=6:4。言語の障害は、男性の方が重く残る傾向があり
ます。この会でも、男女のバランスがとれきたようです。。
40歳以上をどうするかが、今後のテーマの1つです。もうすぐ40歳代グループも出
来ることでしょう。
なぜ40歳かというと、脳血管障害の人は、40歳から介護保険の対象となるからです。
・娘は漢字が苦手です。一般的にはどうなのでしょうか?
→(遠藤ST)失語症の重症度により異なります。重い人は漢字の方が得意です。
・言語訓練を週1回から、2週に1回に減らされました。STとの相性もあるので、どのように次を
探したらよいのか、わかりません。本人は、記憶力がなくなったと気にして、言語のリハビリを
もっと行いたい様子です。(交通外傷者の家族)
→(遠藤ST)失語症は記憶の障害ではありません。記憶の部位とは言語の部位は異なります。
失語症の場合は、言語の記憶は残っていますが、脳の言語野にダメージがあるため、
ことばを呼び起こすのが、上手くいかない。だから、話すとき、聞くときにすぐに結
びつかないんですね。
事故の場合は、多発病巣なので、もう少し複雑ですけれど。
・病院のリハビリは、どんどん切られてしまうので、個人的にお願いして、リハビリをしています。
言語のリハビリは、継続していただくことが難しいです。
→(遠藤ST)日常会話で引き出される能力と、訓練で引き出される能力があります。
医療保険は、どんどん厳しくなります。健康で、いい人たちに囲まれていれば、悪く
はならない。少しずつ良くなります。この、少しずつだけど良くなる、と励ますこと
も大切ですね。
・公文がよいと聞きますが、皆さんどうですか?
→(家族)息子もやっています。算数と国語です。宿題をくれるので、よいですね。
特に、今の先生とは相性もよいみたいです。
→(家族)息子が入っている他の会でも、公文を取り入れています。
ほとんど宿題をやっていきませんね。
・社会復帰で悩んでいます。
・つどいには、まだ2回目の参加です。色々な情報を得るために参加しました。
→(家族)私のいる市には、中途障害者の作業所があります。家族が立ち上げて作ったそうです。
措置費が入っているようですね。お給料は、売り上げから色々引いて、月1万円と少し。
→(遠藤ST)障害をもっての就職は大変だと思います。
作業所に入れた人は良いですが、既存のものに入るのは、なかなか難しいですね。
これから、20代〜30代の若い失語症者が利用する「共同作業所づくり」を進めて
いきます。作業課目として、「中古パソコンの再生事業」を考えています。
2月22日に第1回の説明会・体験会を行い、今後、「皆で集まって働く場所を作ろ
う!」と月1回集まろうと思っています。
集まって、作業をして、ちょっとでも収入がある。目的を持った活動を進めていきた
いですね。
♪「作業所づくり」今後の予定
今年は、毎月第4土曜日に説明会と体験会を重ねて、パソコンの仕組みに関する理解と、
修理や掃除に必要な技術の習得に励みます。
参加申込み・お問い合わせ先
ST 遠藤尚志 03-3964-1131 内線3345(月水金) 042-392-0111内線2734(火木)
0424-75-5926(自宅TEL&Fax)
*「共同作業所」事態がぐんぐんと進展しており、利用できるのは「都内在住で、身体障害者手帳をお持ちの方」のみです。
しかも間もなく定員がいっぱいになりますので、
ご希望の方はお早めに「説明会・体験会」の会場にお越し下さい。
日程は平成15年4月〜11月の第4土曜日、午後1時〜4時です。(2003.4.20現在)